過払い金とは
過払い金とは、金融会社の計算だと借金(債務)が残っているが、利息制限法に定める利率で計算をすると、既に完済している状態になっていて、その後返済をして払い過ぎているお金のことを言います。
この過払い金を、金融会社に請求できます。もちろん利息制限法に定める利率を超えている取引で、借金(債務)を完済している場合には、当然過払い金が発生しており、それらも同じく「返せ」と請求できます。なお、取引明細書等がお手元に無くても請求できます。
<どのくらい取引していれば過払い金が発生する?>
取引の内容によって異なりますが、一般的には6年半~8年以上の継続した取引があると現在借金(債務)があっても過払い金が発生している可能性があります。10年以上であれば過払い金が発生している可能性が高いですが、直近に多額の借入をした場合などは過払い金が発生していない事例もあります。
仮に50万円を年29.2%の金利で借入れ、毎月利息分だけを返済してきた場合、利息制限法で計算すると5年5ヶ月で借金(債務)はゼロになり、10年間の取引で66万円以上の過払いになります。実際は、貸付・返済を繰り返すのが一般的ですので上記金額には誤差が生じます。
<過払い金は本当に返してもらえる?>
過払い金を「返せ」と言って、「返しません」と相手(金融会社)が言った場合には訴訟になりますが、「過払い金を返しません」と言う正当な理由は「みなし弁済が成立している。」という理由です。これを裁判所が認めた場合、請求できないことになります。
しかし判例により、みなし弁済の成立要件は厳格に判断され、ほとんど認められていません。
過払い請求の消滅時効については、最後に返済した日から起算されるので、10年以上前に借金(債務)を完済してそれからずっと取引がないというケースを除き過払い金の時効は成立していません。したがって、過払い金は、借金(債務)を10年以上前に完済した事例を除き請求できます。
平成21年1月22日、過払い金充当合意を含む基本契約に基づく継続的な金銭消費貸借において、過払い金返還請求権の消滅時効は、特段の事情が無い限り取引終了時(借金完済時)から進行すると判断しました。
<債務整理をすることなく特定調停で過払い請求できますか?>
特定調停では、調停委員が過払い金の請求まであっせんしてくれるということはないと思います。特定調停により業者から取引履歴を開示してもらい、利息制限法で引き直し計算を行った結果、借金がゼロになり、過払い金が存在すれば、当該調停を取り下げて、別途過払い金請求の民事訴訟を起こす必要があります。この点が過払い請求まで可能な債務整理との違いになります。
<グレーゾーン金利が撤廃されたら、過払い金はなくなる?>
平成18年12月13日、法改正により、出資法の上限金利を利息制限法の法定金利まで引き下げることが決定しました。そのため、平成21年12月を目途にグレーゾーン金利が撤廃された後の借入れは、金利が利息制限法の法定金利の範囲内であるため、過払い金は発生しません。但し、法改正されたからといって、従前の取引まで利息制限法の法定金利に変更される訳ではありません。改正法施行以前に借入を開始している場合については、平成21年12月以降も依然として過払い金が生じる可能性があります。
<最近利息が下がりましたが過払い請求できる?>
最近、大手貸金業者が「利息を年18%に下げました(又は利息を免除)。」と連絡してきています。しかし、これまでに利得した超過利息についてまで有効になることはありません。長年取引をされている場合、取りすぎた超過利息を前提にして現在の債務があるわけですから、この元金に対して今後18%の利息を適用したとしても依然として過払い金は発生し続けます(利息・債務の免除も同様)。そもそも債務自体が存在しておらず、過払い金が発生している場合もあるからです。
<過払い金請求についての相談はどこに頼めばいい?>
司法書士に債務整理を依頼することなく、ご自身で請求をしてを取り戻す事も可能です。実際に債務整理することなく、ご本人で過払い請求をされている方もたくさんおられます。当事務所では、本人交渉・本人訴訟に関するご質問も受け付けております。
但し、取引途中に債務を完済して、再度借入れをしている、取引途中で債権が譲渡され金融会社が変わった等、複雑な過払い請求は、弁護士又は司法書士に依頼された方が賢明かと思います。
<債務整理・過払い金請求の司法書士費用はどのくらいかかる?>
司法書士の着手金の有無は、その事務所によって異なります。当事務所では、債務整理費用として1社1万8千円(借金完済後の過払い請求は基本報酬無)、過払い報酬として返還された金額の18%(消費税別)になります。債務整理費用は分割払い、過払い報酬は完全後払いで、返還された過払い金から清算します。
<依頼するのに報酬が用意できませんが依頼できますか?>
通常の債務整理の手続では、相談時に司法書士費用を全くご用意できない場合であっても、分割後払いで依頼をお受けしております。現在全く収入の無い方であっても、過払い金が発生するような事案では、お話を聞かせていただき、過払い金が発生している可能性が高い(債務整理費用を回収した過払い金から支払うことができる)時には依頼をお受けすることができます。
<遠方ですが、債務整理や過払い請求を依頼できますか?>
相談時に過払い金が発生していることが予想される場合は裁判籍に注意する必要があります。過払い金返還請求の管轄裁判所は、ご依頼者在住の地域、又は相手方貸金業者の本社所在地の裁判所になります。過払い金が発生していることが明らかな場合、相手方本社所在地が東京等当事務所から遠方にある場合、受任を控えさせていただく場合があります(武富士・CFJ・アコム・レイク・プロミス・シンキは東京。ポケットバンクは福岡。アイフル・トライト・ワイド・ニッセンは京都が本社所在地)。
京都・大阪・滋賀・奈良・福井・兵庫在住の方は、貸金業者を問わず、過払い請求を含む債務整理が受任可能となります。
<債務整理・過払い請求してもETCカードを作成したいのですが>
ETCパーソナルカードなら作成可能です。このカードは保証金(デポジット)を預託することによって、発行できます。利用料金は銀行の口座振替にできるようです。